分かりづらい有料老人ホームについて分かりやすく解説します

高齢者相談 2021.12.10

はじめに

今回は高齢者施設の一つである有料老人ホームの違いについて解説していきます。

私は高齢者施設のご紹介サービスという仕事をしておりますが、日々の業務の中で「高齢者施設と言っても色々な種類があり分かりづらい」という声をよく聞きます。

普段から色々な方に有料老人ホームを紹介し、実際に施設内を見ている私だからこそお伝えできるポイントもあります。

いざ体が悪くなってからだと自分で見学すること自体出来ず、行きたくもない施設へ入居したあるいは思っていたところと違った等という事にもなりかねません。

事前に有料老人ホームについて知っておくことで老後人生に役立つと思うので興味のある方はぜひご覧ください。

有料老人ホームは2種類

そもそも有料老人ホームをご存知でしょうか?

老人ホームという言葉だけは聞いたことがあるという事がほとんどだと思いますが、老人ホームと呼ばれるものにもいくつか種類があります。

有料老人ホームとは高齢者施設の種別の一つになります。
高齢者施設の種別についてはおおまかに下記7種類があります。

  1. 一般賃貸住宅(シニア向けマンション等)

  2. サービス付き高齢者向け住宅

  3. グループホーム

  4. 住宅型有料老人ホーム

  5. 介護付き有料老人ホーム

  6. 特別養護老人ホーム

  7. ケアハウス

このうち「4.住宅型有料老人ホーム」と「5.介護付き有料老人ホーム」の2つが今回お伝えする有料老人ホームとなります。

住宅型有料老人ホームと介護付き有料老人ホームのそれぞれの違いについては、大きくは介護保険料の料金システムが違います。

この介護保険料とは何かしらの介護サービスを利用する際にかかる費用を意味します。

例えばご自宅に住んでいる80代の男性が一人で入浴するのが不安になってきたため、入浴時の介助をお願いしたいとします。
その時自宅に介護ヘルパー呼んで入浴時の介助を依頼するのですが、この介護ヘルパーを利用するのにかかる費用が介護保険料です。

それが住宅型有料老人ホームでは従量制、いわゆる使ったら使った分だけ費用がかかります。
それに対し介護付き有料老人ホームは定額制ですので、毎月一定の金額を支払います。

住宅型有料老人ホーム
介護保険料は従量制。使ったら使った分だけ
介護付き有料老人ホーム
介護保険料は定額制。毎月一定

イメージで決めない

よく老人ホームと聞くと「暗くて汚いから行きたくない」や「大部屋で寝るなんてイヤ」などと言われたりしますが、決してそんなことはありません。

イメージだけで施設入居をあきらめるのは非常にもったいないです。

もちろん中にはそういったイメージに近い施設もありますが、現在ではほとんどのところは2010年以降に建てられたもので、それに加え個室タイプである事がほとんどです。

また金額も2010年以前に建った施設とオープンしたばかりの施設で金額の差はあまり出ない為、綺麗だから高いという事も言えません。

そのためイメージだけで決めるのではなく気になる施設があれば実際に見学してみて、それから行きたいかどうかをあらかじめ判断しておく事が必要だと言えます。

施設の綺麗さ
2010年以降の建物が多い
イメージだけで決めない
実際に見て行きたいかを判断する

居室は個室ワンルーム

お部屋はほとんどの有料老人ホームが個室となります。
普段から色々な高齢者施設を見学させてもらっている私ですが、多床室タイプの有料老人ホームは見たことがありません。

お部屋の広さも18㎡のワンルームで奥に長い長方形タイプの間取りがほとんどです。

厚生労働省「高齢者向け住まいを選ぶ前に 消費者向けガイドブック」より抜粋
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/other/dl/other-03.pdf

もちろん中には30㎡以上の広いお部屋がある有料老人ホームもありますが、そういったところは他よりもかなり高めの料金設定であることが多いです。

そのためほとんどの施設ではご自宅の荷物をあまり持っていくことができません。

もちろんお部屋内にクローゼットなど設置されている事も多いのですが、それだけでは足りないと感じる方も多いでしょう。

特に今のご自宅が戸建て住宅等の広いお家にお住まいの方は、持っていけるものがかなり制限されると思った方が良いでしょう。

居室
個室タイプ、18㎡ワンルームがほとんど。
荷物はあまり持っていけない

有料老人ホームに支払う月額料金と入居金

有料老人ホームでかかる料金としては、毎月支払う月額料金と入居時に支払う入居金があります。

月額料金は「家賃・管理費・食費」

月額料金は住宅型有料老人ホームでは約15万~約20万、介護付き有料老人ホームでは約20万~約30万ほど。
もちろんこの金額より高い場合・低い場合もありますので、料金は施設によってバラバラです。

なお月額料金とは「家賃・管理費・食費」を合わせた金額になります。

そのためこの月額料金以外にも介護保険料や医療費、日用品の購入費などが別途かかります。

それに加えて有料老人ホームの場合は入居金が設定されている事が多いです。

月額料金
月額料金は「家賃・管理費・食費」を合わせた金額
それ以外にも介護保険料、医療費、日用品代がかかる

入居金は選べる事が多い

そもそも入居金という言葉を聞いた事がありますでしょうか?
老人ホームに入居する際に支払う金額の事を言いますが、これは月額費用とは別に設定されている金額となります。

金額は数百万~数千万と施設によって異なります。

最近ではこの入居金不要でその代わり月額費用を高くした料金プランが用意されており、入居する際に入居金あり・なしを選べるようにしている施設が多いです。

ただ入居金ありタイプで入居された場合でも一定の期間内であれば退去時に返金される事がほとんどです。

どういう事かというと、例えば5年間の入居金が設定されている場合に5年以内に退去した場合は残った入居期間の入居金が返金されます。

少し分かりにくいと思うので図にてまとめてみました(下記図1,図2参照)。

図1
図2

上記のように入居していない期間の部分については返金があります。
ただ実際はもう少し複雑で入居金には初期償却が設定されている事が多くあります。

初期償却というのは入居金の20%~30%部分が、返金されないお金としてあらかじめ設定されている金額になります。

つまり上記図2のように単純に残った期間の分が返金されるわけではなく入居後すぐに初期償却をして、それ以外の7割~8割から残った期間の分が返金されることになります。

これだけ聞くと入居金を支払うのは、あまりメリットがないように思われたかも知れません。
しかし入居金を支払う事にもメリットはあります。

というのも5年間の入居金が設定されている場合だと入居期間が6年や7年など、5年以降でも入居しているというケースがあります。

その場合は5年以降入居を継続したとしても家賃は変わらないため、差額家賃の分が毎月お得になっていくということになります。

しかし有料老人ホームにどれくらいの期間住み続けるのか、あるいは住み続けられるのかという事を考えるのは中々判断しにくいとは思いますが、入居金を支払うべきかどうかを検討する上での重要な視点の1つになります。

入居金
家賃の前払い
一定期間内であれば返金有り
入居金なしの料金タイプも選べる(その代わり月額費用が高い)

住んでいる人はバラバラ

どんな人が住んでいるかについては施設によって違います。

金銭面でいうと入居金数千万に加え月額費用も30万以上のいわゆる高級系有料老人ホームでは、それを支払えるだけの資産をお持ちの方が入居されているといえます。

介護面では基本的に介護付き有料老人ホームの場合は、要介護1以上の方を対象としている施設が多く、介護度が高めの方が入居されている傾向にあります。
その理由の1つとしては介護保険料が定額制である事です。

住宅型有料老人ホームのように従量制タイプの施設だと、たくさん介護が必要となった場合に自己負担金額が増える可能性があるので、介護をたくさん使う可能性がある場合は、介護保険料が定額の施設にしておくとそういった不安から解消されます。

とはいえ介護付き有料老人ホームでも、介護認定を受けていない自立状態からでも受入可能な施設もあり、元気な方も多いなんてこともあります。

有料老人ホームでは集団での生活になり食事の際やレクリエーションなどで入居者同士、顔を合わせる機会も多いためどんな人が住んでいるのかは見学時等に確認しておくことをおすすめします。

入居者層
施設によってバラバラ
見学時に確認する

食事は毎日3食

有料老人ホームでは毎日朝昼晩3食の提供があります。
とはいえキャンセルする事もできるので「この日は家族でご飯に食べに行くからいらない」という事も可能です。

また食事の味は施設によって異なります。
事前に味を知るために見学時に試食をお願いしてみると良いでしょう。
もちろん通常は試食はできないのですが、見学する際に事前に相談してみると案外できる場合が多いです。

ただ一口だけもらうという事ではなく昼食1食分お試しという形になり、時間も昼頃に合わせて訪問するので、1日に何ヵ所も試食というのは難しいと思います。

他にも施設によってはイベント食などを用意しているところもあるので、日常生活の楽しみの一つになると思います。

食事
朝昼晩3食ついている
施設によって味が違う
気になる施設は試食をお願いしてみる

普段の生活

日中はレクリエーションに参加

日中についてはレクリエーションが朝10時からと昼14時頃からの計2回あり、体操したり手芸やカラオケなどの音楽レクリエーションが行われていたりなど、入居者の方々がなるべく退屈しないよう各施設で取り組まれています。

ですが反対にほとんどレクリエーションがない施設もあります。開催できるのは夏祭りやクリスマス会などの季節行事程度なんてところもあります。

退屈しないための取り組みではありますが、人によっては皆で集まって何かするのが苦手という方もいらっしゃるので、レクリエーションの頻度は入所する前には確認しておくと良いですね。

たいていは任意参加のため好きなレクリエーションにだけ参加するということも可能です。

外出は可能

外出についてはご自身の体の状態によります。

例えば認知症の診断を受けている方で一度外に出ると、戻ってこられない可能性がある場合は外出を制限される場合もあります。
また新型コロナの影響で外出を制限しているところもあります。

特になければ外出・外泊ともに可能な場合が多いです。もちろん食事提供の兼ね合い等もあるので出掛ける前には余裕を持って数日前に施設へ伝えるようにした方が良いでしょう。

面会は制限あり

こちらも新型コロナの影響で面会制限をしているところがあります。

施設によっては10分だけ可能であったり、窓越しやオンラインビデオ通話の形式でのみ面会可能な場合もあります。

おわりに

有料老人ホームを検討する際の知っておいてほしい事についてまとめてみました。

各見出しの最後にポイントを記載しておきましたので、各ポイントだけでも覚えておくと施設選びの参考になると思います。

それでもご自身で時間をかけて一件一件ネットで調べたり、電話で問合せをしたりというのは大変だと思うので、なるべく労力をかけたくないという方は私共のような高齢者施設を紹介している業者を利用するのが一番手っ取り早いと思います。

相談費用もかからないところがほとんどですので、気になる方は調べてみると良いでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
また次回もよろしくお願いします。

ウチシルベ高齢者住宅仲介センター京都
新居(ニイ)

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